蛇口アルバム

明治20年(1887年)に横浜で近代水道が給水を開始してから120年余、その普及、発展にあわせ、水を出し止めする道具である水栓金具も多くの変化を遂げてきました。 その変化について順に見ていってみましょう!

日本の蛇口の歴史

単水栓 上水道と単水栓が各家庭に普及し、住宅における蛇口といえば台所についた自在水栓が1個という時代を経て、給湯器の普及によりお湯の供給が可能になると、湯側、水側に各々1個づつの単水栓を取り付けて、湯水を使い分けるようになりました。
その後、さらにそれを一つの蛇口で行なうことのできる混合水栓が登場します。

混合水栓 昭和30年〜40年代にかけて、ボイラーなどの給湯設備が整っているホテルを中心に、お湯と水とを混ぜて使用する混合水栓が発達し、今ある混合方式(2ハンドル水栓、ミキシング式水栓、サーモスタット式水栓、シングルレバー式水栓)のベースが出揃うことになります。
その後、これまで単水栓で水のみを使用していた住宅にも徐々に給湯器が普及し始め、一般の住宅においても快適にシャワーを浴びるという文化が幕を開けることとなります。
しかし、ホテル用に開発、設計された蛇口を一般の住宅に展開する時には、給湯器の違いが問題となりました。
ホテルでは大型のボイラーを使用している関係から、お湯と水の圧力が等しかったものが、一般の住宅では水側の圧力に比べお湯側の圧力が低く、そのために使いにくいという難点がありました。
この難点を克服するために、お湯側の通水抵抗を少なくしたりする改良等が加えられ、その結果、一般の住宅においても蛇口を快適に使えるようになりました。

定量止水式水栓 昭和50年代後半になると、お湯と水の混合性能の向上を図ると共に、これら蛇口に使いやすさを向上させる付加機能が付くようになりました。
それは一つは、お風呂にお湯をためる際に必要なお湯の量を設定しておくと、その量のお湯が出たところで自動的にお湯が止まる「定量止水式水栓」であったり、蛇口についたレバーやボタンを押すと、風呂桶一杯分のお湯が出たあとに自動的にお湯が止まる「自閉式水栓」などがあります。
「自閉式水栓」は今でもゴルフ場や銭湯などで使われています。
このほかに、台所用の蛇口では、蛇口本体から水が出てくるシャワーヘッドを引き出して使うことができる「引き出し式水栓」が登場してきました。
台所のシンクを洗ったり、深いお鍋に水を入れたりするときにその効果を発揮しました。
そしてこの「引き出し式シャワー水栓」が洗面所に展開したものが「朝シャン」という今では一般的になった言葉を創造させる引き金となり、一大ブームを引き起こしました。

バリエーション 一般住宅への蛇口の浸透が一段落すると、それぞれの空間に合うデザインや色のバリエーションの要求が生じてきました。 今までのピカピカと光るメッキ色から、黄色や赤色といったさまざまな色の蛇口が登場してきます。

打たせ湯機能の付いた水栓 平成になると、従来のお風呂のシャワーに、打たせ湯等の機能を持たせた新しいタイプのシャワーセットや、台所でお皿などを洗う時の水ハネを押さえた吐水方法である「泡沫吐水」、 お風呂のサーモスタット式水栓の温度調整部分にその機能を向上させた「形状記憶合金式サーモカートリッジ」の採用、 水が出ている蛇口を急に閉めることにより発生するウォーターハンマーを軽減させる「セラミックカートリッジ」等、更なる便利さを追求した製品が登場し、現在に至っています。